2022年05月20日
「学びのループ」と継続する「やる気」(臨床検査学科)
関西医療大学で教鞭を取らせていただくことになり、1年が過ぎました。教育現場で、学生のみなさんと向き合い、教えるということの難しさを痛感した1年となりました。
昨年大学の門をくぐり、案内していただいた桜に感激したのを思い出します。
その桜並木で、今年の春は、太い幹からぽっこと咲く可愛い桜花に気づくことができました。
余裕なく駆け抜けて迎えた2年目の春、少し地に足がついたように感じた瞬間です。
「教えること」に向き合いながら思ったのは、私自身、面白い、と思わなければ頑張ることができないと言うことです。全て何においても、「面白い」、「興味が湧いた」、「頑張りたい」、とつながってきたように思います。好きなことでなければ頑張れなくて、興味を持てるかどうか、いつもそこが問題でした。
好きになったら、楽しく頑張れる、これは皆さんも同じだと思います。
講義で本から学んだ知識が、実習でなるほどに変わり、工夫がわかり、興味が湧く、楽しくなり、好きになる、理解につながり、なるほどが深まります。このループができると、どんどん「学び」が進んでいきます。
私の担当する臨床検査学科3年生の病理検査学実習に、ミクロトームでの薄切実習があります。病理診断を行う為の標本作製工程の一つです。組織を薄く切る操作がいかに危険を伴う繊細な作業であるかは、実際に体験することで初めて、本にある注意点の意味がわかります。そして学生さんたちの間から「とてもよく切れる!微調整が難しい!でも楽しい!」の感想を聞き、この学びのループだと思いました。
あとは目標です。自分がどうなりたいかをしっかり考えて、興味が湧いて進み始めた学びのループを、いかに継続するかです。好きな教科ができて学びのループに乗れて、勉強が進むと、苦手教科の学び方にもつながります。
若くて、頭も柔軟性がありスポンジのように吸収できる今だから、可能性を秘めた未来のために、夢をつかむために、学びのループで吸収し、吸収を継続し目標につきすすんでほしいと思います。
江戸時代後期、米沢藩主の上杉鷹山が家臣に「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と詠み与えています。
「強い意志を持ってやれば成就できる」と言う教えで、「やる気」がいかに大切であるかを昔から、説いています。
最後の「成らぬは人の為さぬなりけり」強烈な言葉です。できないのはその人がやっていないと言うことだ、と締めくくられています。
自分に負けないで、思いを貫きましょう。「学びのループ」と継続する「やる気」です。
一緒にやっていきましょう!
病理検査学実習の様子