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学部・大学院
教員紹介
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教授・附属図書館長
王 財源
おう ざいげん

2015年9月、国連でSDGs(Sustainable Development Goals) が採択され、2030年を目標にすでに幾年月が過ぎました。SDGsの根本理念は〝誰も置き去りにしない〟ことにあります。すべての人々が格差なき、調和がとれた持続可能な向上にむけて〝続かない〟世界を〝続く〟世界にしていく目標です。それは個々の私たちが主体的にとり組める持続目標を明確にすることでもあります。政治や経済、技術のみでは達成できないさまざまな問題に対して、私たちが持つ思考と行動力の〝変革〟を求めるものであり、とりわけ教育を人生最大の事業とするわたしたちには〝変革〟を実現するための重要な担い手としての、学生を育てるという責務があります。私たちは地球社会の一員として、どのように市民社会の健康と福祉を共有し、より質の高い教育を学生に届け、学生がみずからが「依存する側から脱却し、自立することのできる医療人として巣立つことが実現できるか」が挑戦目標です。つまり、「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」の推進です。
超高齢時代を迎えた日本、中国で発祥した伝統医療文化(東洋医学)の果たすべき役目にも、SDGsに掲げられた17の目標と結びつく課題が数多あります。このような現状を踏まえとき、先達の生命観を軸足とした、人類の英智を起点とする質の高い伝統医療文化教育と、その技術を培う医療従事者を育て、市民社会の健康と長寿に貢献できる逸材を本学より送り出し、世界に誇る長寿国として、日本の果たすべき役割に対して挑戦したい。

担当科目(学部)

東洋医学各論Ⅲ 鍼灸臨床実習I 
鍼灸美容学 中医学概論 中国手技療法 生命倫理

出身校

大阪府立大学大学院 人間社会学研究科 人間科学専攻 博士後期課程修了
(現・大阪公立大学 国際基幹教育機構 現代システム科学研究科)

学 位

学士(鍼灸学)  修士(中国学)  博士(人間科学)

取得資格

鍼灸師免許

専門分野(相談可能な分野)

・中国伝統医学(中医学)
・美容と東洋医学
・鍼灸学
・中国哲学
・統合医療
・中国語(北京語)

現在の研究テーマ

・「美」の東洋哲学的探求-鍼灸医学からの遡及的考察-
・美容と東洋医学-人間美と健康美の原点について-
・鍼灸美容学-研究・臨床・教育からの多角的研究-
・『黄帝内経』と『老子』との関係性についての文献的研究
・「気」の養生観を再考する-養生と養形からのアプローチ-
・経絡現象の客観的試み

研究のキーワード

・中医学
・中国哲学
・鍼灸学
・統合医療

在内研究(国内留学、国内共同研究など)

・大阪公立大学 国際基幹教育機構 現代システム科学研究科 客員研究員
・京都大学 人文学研究所(共同研究テーマ:伝統医療文化の多角的研究)

在外研究

・1982年 広州中医学院(現.広州中医薬大学)省中医病院留学 指導教授 劉炳権氏
・1983年 上海中医学院(現.上海中医薬大学)曙光病院留学 指導教授 王世恵女史

所属学会

(社)日本東洋医学会
(社)日本中医薬学会
(社)日本良導絡自律神経学会
(社)全日本鍼灸学会

社会活動など

学会等における委員としての活動(学会名および役職)
・(社)日本東洋医学会研究機関連絡協議会 常任理事
・(社)日本良導絡自律神経学会 常任理事
・(社)日本中医薬学会理事

学術雑誌の編集委員および審査委員としての活動
・東洋医学とペインクリニック 編集委員

受賞など

白求恩(べチューン)医科大学麻酔学教室客員副教授(現、吉林大学) 1992~

オフィスアワー

木曜日

主な研究業績

【主な著書】
・『わかりやすい臨床中医臓腑学』第4版 医歯薬出版(株)、2020年5月
・『実践・鍼灸美容学』(改題)医歯薬出版(株)2019年8月
・『わかりやすい臨床中医実践弁証トレーニング』 第2版 医歯薬出版(株)、2018年2月
・『わかりやすい臨床中医診断学』第2版 医歯薬出版(株)、2016年6月
・『入門・目でみる臨床中医診断学』 医歯薬出版㈱、2009年3月
・『美容と東洋医学』(株)静風社、2017年11月

【分担執筆】
・『東アジア伝統医療文化多角的研究班論文集』「第5章中国医薬学の諸相: 中国伝統医療文化における〝鍼灸〟と〝美容〟の共生」を担当、臨川書店、2024年
・『鍼灸美容学』 静風社、2016
・『特殊鍼 灸テキスト』 医歯薬出版(株)、2014
・『図解・鍼灸療法技術ガイドⅠ』 文光堂、2012
・『危険経穴の断面解剖アトラス』 医歯薬出版(株)、2011
・『鍼灸師のための健康美容鍼灸』 BABジャパン、2011
・『美容鍼灸の実践』DVD版 医道の日本、2007
・『美容と鍼灸』 医道の日本社、2006
・『痛みのマネジメント(11.鍼灸編心因性疼痛)』 医歯薬出版(株)、2005
・『国際統合医療元年(中国の中医の現状)』 (株)日本医療企画、2004
・『疾患別治療大百科シリーズ6アレルギー編(アトピー性皮膚炎に効く穴)』 医道の日本社、2002
・『疾患別治療大百科シリーズ5耳鼻咽喉科編(中医学による鼻・喉の疾患治療)』 医道の日本社、2001

【共訳書】
・『中国刺絡療法』(東洋学術出版社)1999など、その他論文多数。

【論文】
・「中国伝統医療文化における〝鍼灸〟と〝美容〟の共生」京都大学人文研究所論文集、『東アジア伝統医療文化多角的研究班論文集』臨川書店、pp99-115.2024 
・「東洋医学における形神観について ―こころと身体―」人文学論集、大阪府立大学人文学会、Vol.38、2020. 
・「脱毛症に対する東西両医学的考察ー『黄帝内経』と毛髪との関係性についてー」関西医療大学紀要、Vol.11,2017年12月
・「中国古代《美》意識ににみえる鍼灸美容の検討」関西医療大学紀要、Vol.8,2014年12月
・「中国伝統医学における皮膚美容の文献的検討―『黄帝内経』にみえる鍼灸美容―」日本東洋医学雑誌、Vol.65,No.2, 2014年4月
・「七表八裏九道脈における数(數)脈の検討」関西医療大学紀要、Vol.7,2013年12月
・「鍼灸美容にみえる《美》意識についての考察」全日本鍼灸学会誌63巻2号,2013年5月
・(修士論文)「気」による養生観について―六朝時代を中心に―
・(博士論文)「気」の養生思想の研究―鍼灸美容における身体美の原点―  など、その他論文多数