2018年02月23日
見方によって東洋医学も大進化!
はり灸・スポーツトレーナー学科 黒岩共一
YouTubeに有名な「バスケットコートのゴリラ」という頁がある。のぞいて見ると、「白チームのパスを数えなさい」との表示が先ず出る。画面が切り変わり白(シャツ)チームと黒チーム、それぞれ数名が入り乱れてバスケットボールのパスをし合う場面が30秒程続く。そしてパスは何回でしたか、と訊いてくる。ハイ正解は*回です。これで終わりと思いきや、実はこれからが本番である。「ところでゴリラを見てません?」との表示が出て、ゴリラ(着ぐるみ)はここで登場していましたと登場場面がリプレイされる。「エーッ、そうなの!」と驚く人が約半分いる。半分も気づいて無い人がいる方が驚きだ。視野追跡装置を装着させて同じ実験をすると、ゴリラに気づかなかった人もチャンとゴリラは見ていたことが判っている。気づいた人、気づかなかった人の性格分析では、極論すると気づかなかった人は真面目(優等生?)、気づいた人はアバウト、いい加減人間らしい。
それにしても想像力をかき立ててくれる話しだよね。「眼では見ていても心では見てない」、「何を見るかは心が決める」。
実はこの「同じ光景・場面を見ても、人により(心に)見えるものは別々」は、マジシャンに限らず世界の様々のシーンで広く利用されている。大学・研究の場でも利用価値は高い。それは...
科学を推し進めるのは「課題に真剣に取り組む」人ばかりではない。たまたま目にとまったことに興味が湧いてしまい、本来の課題を忘れて内職を始めるタイプが時として「アッと驚く」成果をあげる。よく進んだ科学では、既に多くの「正解」が見つかっているので「真剣に課題に取り組む」タイプが優位に立つ。でも未開の科学で見つけられた正解が少ない、あるいは正解と思われているけど実は間違っている「正解」が幾つもある科学の場合ではどうだろう。課題に「真剣に取り組めない」タイプの方が真剣人には見えないことを見つけだすチャンスが訪れそうだよね。何せ東洋医学は宗教や伝説と科学のごった煮状態だから、ゴリラの群れが群雄割拠!チャンスゴロゴロの科学なんだから。 この未開状態の東洋医学の発展にはアバウトな君の脇見が役立つかも知れない。いや是非とも役立てて欲しい。勿論まじめ君にも未来を用意できる大学でもある。受験だけでもどう。