2017年12月01日
大学生になると、結局どうなるの?
はり灸・スポーツトレーナー学科 伊藤俊治
大学入試が始まる季節ですね。高三なら推薦やAOでどこかの大学に入学を決めた人も、部活を引退して本格的に入試勉強している人もいるでしょう。まだ進学か就職かで迷ったり、進学先を決めかねたりしている人もいるかも知れません。
ところで「大学生になる。そして大学を卒業する」というのはどういうことなのか、考えたことはありますか。私なんかは大学に入ってもしばらくは、気にしたこともありませんでした。大学生になるって、小学校の次に中学校に通う、中学生の後に高校生になる、その次、としか考えていませんでした。でも高校までと大学の間には実は大きなギャップがあるのです。
大学を卒業した人には「学士」という称号というか資格が与えられます。「学士」・・・何か、いかめしい響きの言葉ですね。学士とは、どんな人の事でしょうか。イメージで言うと「学士」はこんな感じです。
一言でいうと「学士」とは「学問を修めた人」の事です。大学で学ぶ事を「学問」といいますが、高校までの勉強は「学習」です。
同じ事のようですが少し違います。一番の違いは、「学習」には正解がありますが、「学問」には正解が無い事です。高校までの勉強は、教師や文科省の決めた正解を当てるクイズみたいなものです。一方、学問には「正解」がありません。どうすればこの患者を救えるのか。ロボットが走る最適の方法は。人はなぜ癌になるのか。正解はまだありません。大学を卒業するということは、正解の判らないこういう「問い」に答える方法を身につけた人になる事なんです、本当は。世の中には、そうじゃない「大卒」もいっぱいいますけどね。
世の中に出ると、いろんなところで私たちを惑わそうとするモノが待ち構えています。それは詐欺商法だったり、疑似科学だったり、インチキ宗教だったり、流行のオルタナ・ファクトだったりします。どれも「正解」や「真実」がよく判らない事に付け込んで、私たちから何かをむしり取ろうとするモノです。これから大学生になる人は正しく「学問」を修めて、何が「正解」なのか見極められる人になって欲しいと大学の先生たちは思っています。
ただ私自身も、今夜自分が何を食べたらいいかすら中々決められません。ヘルシー路線でダイエットする? でもお腹が空いているしストレスあるしガッツリいく? ああ、これでも「学士」なのに、「正解」はどっちにあるのか全然判らない・・・。