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Blog 関西医療大学NOW!

はり灸・スポーツトレーナー学科 学科長 増田研一

まず皆さんがこのブログをご覧になった際には、新型コロナウイルス感染症が収束している事を心から願っています。
この文章を記しているのは4月下旬ですが、ご存知の様に消毒用のアルコール、防護服、マスク等入手困難な物品が幾つもあります。「37.5度以上(4日連続)」という体温のチェック目的で使用する体温計は、当然非接触型が好ましいですが、これもまたなかなか手に入ら無いのが現状です。しかし、本学では私の知る範囲で臨床の場等で4つ使用されています。実は、いずれも私が現場で使用する目的で購入した私物です。別に私に先見の明が有った訳で無く、ナショナルトレーニングセンターなど育成年代の現場に帯同する際、インフルエンザやノロウイルス感染を蔓延させない為に必要だと判断して買ったのです。また、高齢者の容態急変を予測する為には、末梢血の酸素飽和濃度が重要とされていますが、パルスオキシメーターも私のドクターバッグに入っています。これも喘息やアレルギーの発作を現場で体験したからです。
皆さんは、スポーツ現場でドクターやトレーナーが持っているバッグやポーチの中に何が入っているのかご存知でしょうか? 例えば、日本サッカー協会主催のイベントであれば、現場に大きいスーツケース(以前はジュラルミンの重いケース)が2つ送られてきて、その中身から試合やトレーニングに合わせてバッグやポーチに入れて現場に持っていくのです。マニュアル等は特に用意されていません。私自身「手探り」のところから何年もかけて、「これは送られてきたケース内には無いけれど、自分自身ででも買った方がいいな」という物品が幾つも出てきたので、少しずつ少しずつ揃えていったのです。
他にも、選手のコンディションをスタッフに伝える「5段階評価システム」を考案した契機も「現場」でした。これは現在、日本サッカー協会全体で使用されています。また、学生から提案があって、(100%アナログでしたが)選手の走行距離・パターンを記録するシステムも「現場」由来でした。
これら以外にも「現場」は様々なヒントを与えてくれます。座学はその視野を広めてくれます。逆に「現場」が座学の重要性を更に認識させてくれます。
皆さんも是非「現場」に足を運んで下さい。毎回必ず得るものがある筈です。
 写真は研究室で撮ったものです。