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Blog 関西医療大学NOW!

 臨床検査学ユニットの中島康仁です。医療の現場において、臨床検査は患者さんの病態を把握するための方法として診療に欠かせないものとなっています。現在の臨床検査は、測定法の進歩、酵素活性測定に関する勧告法の制定など、多くの臨床検査に携わる方々の努力の結果、標準化が進み、病院間における臨床検査データの施設間差は小さくなってきました。これにともない、測定値の標準化された基準値の集積が可能となり、大規模な多施設共同の基準範囲設定調査が実施され、その成果が公表されています。
 この結果、ほかの病院から紹介された患者さんが来たときに、新たな病院で再度同じ検査をすることがなくなり、より早く病気の治療をスタートすることができるようになってきました。さらには臨床検査データと個々の症例などを組み合わせたデータベースの構築や診断基準の精度向上などの効果が期待されています。

 このように日本の臨床検査の標準化が進み、施設間差は小さくなってきたものの、世界的視野でみると、日本独特の測定法も存在し、海外との共同研究や臨床試験(治験)で支障をきたす検査項目もあります。私は、これまで臨床化学検査を中心とした標準化、基準範囲の設定に携わり、現在でも下記のテーマについて研究を行っています。
 ※地域における標準化の推進活動の実践について
 ※測定法における問題点の提起
  ・LDL-コレステロール測定について
  ⇒Friedwaldの計算式がよいのかホモジニアス法がよいのか。
  ・中性脂肪測定について
  ⇒遊離脂肪酸を除去すべきか、含めて測定するべきか。
  ・AST,ALT活性測定について
  ⇒ピリドキサールリン酸(PALP)を添加しアポ型をホロ型に変えて測定すべきか。
 ※共用基準範囲の設定
 ※許容誤差限界の設定
 ※反応過程の解析

 提示させて頂いた研究課題は臨床検査の現場で活躍される臨床検査技師の方々が悩んでいるものと同じではないでしょうか。このような課題に興味がある方、そしてその課題を研究として取り組んでみたいと思った方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡下さい。一緒に解決に向けて取り組んでいきましょう、お待ちしています!