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Blog 関西医療大学NOW!

 ヘルスプロモーション整復学ユニットの畑村です。ここ数年の新型コロナウィルスのパンデミック、多くの方が健康にも社会生活にも多大な影響をうけたと思います。新型コロナウィルスの流行は無くなったわけではありませんが、日本社会はようやく落ち着きを取り戻しつつあります。それにはワクチンの幅広い接種が大きな役割を果たしたことは間違いありません。
 今回使用されたワクチンは、歴史上初めて使用されたmRNAワクチンと呼ばれる種類のもので、従来のワクチンとは働く仕組みが全く違います。そして、このような新しい技術を使った時には、その効果や副作用などについて細かく検証することがとても大事です。
 関西医療大学でも今回の新型ワクチンの職域接種を行いました。医療系の大学として行ったワクチンの効果等を検証するのは当たり前のことでデータをとってみました。協力をしてくれた教職員から、ワクチン接種前、接種後に採血を行って、ワクチンの効果とその抗体活性について解析を行っています。報告がまとまったので少し紹介しようと思います。
 ファイザー社製のワクチンを投与した人について、初回ワクチン接種前、初回接種後3週目に2回目接種後1週後、3か月後、3回目接種(2回目接種後6ヶ月以上経過)前、接種後1週目の5時点で採血し、ウイルスに対する抗体活性(SARS-CoV-2 S-IgG抗体)を測定しました。

 右図に示すように、S-IgG抗体活性の値は平均390.7SU/mlで、個人差はあるものの全員有効(感染予防や重症化を防ぐ)な抗体価の存在を確認できました。(抗体価は10SU/ml以上で抗体活性をもつと考えられている)。また接種された人の年齢と負の相関関係がありました。すなわち年齢を重ねると、ワクチン接種でできる抗体活性はやや低下するものの十分有効な抗体活性を持っていることも確認できました。

 また、2回目の接種から3ヶ月、6ヶ月の経過後のデータを見ると、抗体活性は時間と共に低下していましたが、3回目接種によって再び増加するブースター効果も接種前の36.6倍と予想通りそれも接種1週間で抗体活性の上昇を確認できました。(右図)

 本学教職員の比較的少数の分析結果ですが、ワクチンの効果や繰り返し接種によるブースター効果も確認でき、今回のワクチンがやはり「役に立った」ことが示されたと思います。
 このような地道な研究や検証によって次のパンデミックの危険がすこしでも低下することを期待しています。