2017年08月04日
継承していく為に大切なこと
保健看護学部 川端明雄
皆さん、こんにちは。精神看護学を担当している川端です。
今日は、本学がある泉州地方の文化を、私の担当している精神看護と交えながら紹介したいと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、大阪の南部に位置する泉州地方は、だんじり祭りが盛んで、熊取町で育った私も小さい頃からだんじりに携わりながら育ちました。だんじりの速度を落とさずに、方向転換させる「やりまわし」と、だんじりに施された非常に精緻な彫刻等を目当てに、祭り当日には毎年たくさんの人で賑います。
だんじり祭りの起源は古く、約300年前から続く祭りです。諸説はありますが、当初は車輪をつけた台車に飾り物を載せて練り歩いていたそうです。現在の「やりまわし」をするようになったのは昭和に入ってからと言われています。
つまり、江戸時代から現代に至るまで、祭りの形態や、だんじり自体の形態も時代と共に多くの変遷を経て、今に継承されているのです。
それでは看護の変遷はどうでしょう。
1860年頃、ナイチンゲールによって近代看護の歴史が始まったとされています。彼女は著書で「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるのに最も良い状態に患者を置くことである」と看護の本質を表現しました。もちろん、この以前からも手当てをする看護師のような存在はあったようですが、ナイチンゲールによって看護は職業として世界的に確立され、今に至っています。
その頃からも、そして現代においても看護の本質は普遍のものです。しかし、社会の違いや時代の医療に対する背景の変化に応じて看護の機能は拡大し、変化していくものであり、看護師は現代社会の特徴を踏まえた看護を、常に更新していく役割を担っています。
私の担当する精神看護でも、この数十年でコンプライアンス(医療者側からの指示や治療を遵守させること)からシェアード・ディシジョン・メイキング (共に治療目標を考え、当事者が目標を決定すること)が重要視されるようになりました。
しかし、この概要を知っただけで活用はできません。必要な技術を磨かなくてはなりませんし、何より既存の知識を最新の知識に更新する必要があるのです。
看護学を後世に継承していくためにも、看護学の知識や技術、そして更新する方法を、本学で一緒に学びませんか?
皆さんのご入学を、心からお待ちしています。