2017年11月17日
インフルエンザと臨床検査
臨床検査学科 竹田知広
これから受験シーズンを迎えるにあたり、受験生にとって最大の敵は、体調管理といっても過言ではないと思います。その中でも感染力の強さから最も注意が必要なのは、インフルエンザです。インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染による急性ウイルス性呼吸器疾患(いわゆる風邪症状)で、その特徴は高熱が出やすいことです。私が子供のころは、冬に風邪症状と38℃以上の発熱があるとインフルエンザと診断され、解熱剤などの対処療法が中心でした。しかし、皆さん経験がある方が多いと思いますが、現在は違います。
インフルエンザが疑われる症状があると、まず、ウイルスが鼻粘膜などにいるか確認をします。ここで我々臨床検査技師の登場です。平成27年度より、臨床検査技師の検体採取を可能とする法改正があり、インフルエンザの疑いがある患者さんの鼻粘膜などから検体を採取できるようになりました。その後の検査ももちろん臨床検査技師が行い、結果が陽性であれば、医師より抗インフルエンザウイルス薬の投与が行われます。私も経験しましたが、早期に診断され、正しい治療が行われると非常に体が楽になります。
臨床検査技師は、正しい結果を返却し、治療を支えています。しかし、検査をいくら頑張っても、検体採取が誤った方法で行われるとインフルエンザ陽性患者さんでも陰性の結果になる可能性があります。臨床検査技師は、正確・精密な検査を行うため、検査室の中だけでなく、外来や病棟で他の医療職種と連携をとりながら、患者さんの診断、治療に貢献するため活躍しており、そのフィールドがますます広がっています。本学では、現場でご活躍の先生方を招いて、授業や学内外の実習を通してこのような臨床現場で活躍できる人材育成を行っており、現場で患者さんのために活躍できる臨床検査技師を輩出していきたいと思っています。
朝夕めっきり冷え込む日が続いています。受験生の皆さんは、これまでの努力をいかんなく発揮できるように体調管理には気をつけていただき、不運にもインフルエンザの可能性がある場合は受診し、検査、治療を受けてください。未来のあなたが働いていることを想像しながら・・