- 作業療法学科[ 保健医療学部 ]
- 大歳 太郎
- 教授
- Taro Otoshi
学外での経験も積み、
コミュニケーション力を磨こう。
関西医療大学の特長・魅力は?
建物や校舎がきれいな大学です。医療系の国家資格を取得するために皆さん切磋琢磨している大学なので、作業療法学科だけではなく他の学科を見ても、やる気のある学生さんが多い大学だと思います。
作業療法学科の特長・魅力は?
作業療法士は、実習時間数など一定の基準をクリアすれば、世界でも活躍できる職種です。本学では英語教育に力を入れており、ベルリッツとの連携プログラムで英語でのコミュニケーションスキルを修得します。さらに、希望者を対象とした海外研修もあり、国際的に活躍できる作業療法士を養成しています。また、作業療法に使用する検査器具や機器も非常に充実しています。
大歳先生が担当されている科目の内容と、指導するうえで大切にされていることは?
私は作業療法のうち、子どもに特化した分野を担当しています。1年次の「人間発達学」は、特に乳幼児期から学童期にフォーカスを当て、発達や成長を学ぶ専門基礎科目です。作業療法士は、生まれつき手足に麻痺がある子どもや、自閉症などの発達障害の子どもと関わります。そのため、まず正常発達とはどのようなことを指すのか、を正確に知ることが大事になります。
さらに2年次の「発達障害作業療法評価学」で、脳性麻痺や自閉症などの疾患や評価について、3年次には「発達障害作業療法治療学」で実際の治療法を学びます。子どもの場合、遊びを通して治療するため、遊具を用いたり模擬人形を用いたりしながら学生さんにも実際に体験してもらい、さまざまな関わり方ができるように取り組んでいます。これらの授業では、なぜこの疾患名なのかという知識からその疾患に対する子どもへのアプローチ技術まで体系的に伝えることを意識しています。
大歳先生が担当されているゼミの内容は?
子どもの感覚の偏りを評価する評価法を活用して、自閉症の子どもの感覚特性の特徴を学び、日常生活が過ごしやすくなる支援方法を模索しています。また、子どもの目の動きに着目して、発達障害の早期発見に役立てようと取り組んでいます。
大歳先生はどのような研究活動をされているのですか?
自閉症といわれる子どもとの関わりが多く、発達障害の診断がついていない子どもでも利用可能な支援施設を運営しています。こうした施設をつくることが長年の目標で、発達障害の診断がついていない子どもに早期からアプローチできるようになりました。ゼミの内容とも重なる部分がありますが、彼らが将来、仕事に就いて自立できるように支援をしていく方法を構築すること、が大きな研究テーマです。この施設を通して、臨床や研究、学生の教育の場としての活用も進めています。
大歳先生が作業療法士をめざされたきっかけは?
もともと子どもと関わる仕事に就きたくて、大学は教育学部へ進み、教員をめざしていました。ところが、大学2年次に参加したボランティアで障害をもつ子どもと関わる機会があり、医師から作業療法や理学療法の話を伺いました。その話をきっかけに、学校の先生となって何十人の子どもを見るよりも一人の子どもとしっかりと向き合える仕事の方が自分の関心が強いのではと思い、作業療法士をめざすことにしました。
作業療法士として大切なことは?
同じ目線で接すること。特に子どもの場合、一緒に楽しく遊ぶことを意識して関わる必要があります。また、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の子どもの場合、ちょっと目を離した瞬間に動き回るため、お父さん、お母さんはとても疲れている場合があります。作業療法士にはそうした親御さんへのフォローも求められるので、信頼できる相談相手となれるようにコミュニケーションスキルを磨くことも大切です。
関西医療大学での4年間で学んでほしいことは?
本学で4年間過ごせば、最低限の知識や技術は身につきます。加えて、コミュニケーションスキルを高めるために、アルバイトやボランティアなど大学以外での人とのやりとりを通して、さまざまな経験を積み、外の世界を知ってほしいと思います。
- 大歳 太郎
- 教授
- Taro Otoshi
子どもを対象とした作業療法は、特に「こうすればいい」と答えが決まっているものではありません。子ども一人ひとりに応じた対処ができるよう、授業ではさまざまな方法を提示して考え方の幅を広げています。